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蒔絵・研究日誌

「蒔絵博物館 高尾曜のホームページ」の併設ブログ。
日々の研究の活動報告、展覧会観覧記録や歴史の話など、つれづれなるままに書いています。
狂言「塗附」(国立能楽堂 定例公演)
仕事で狂言「塗附(ぬりつけ)」を見ました。モニター越しではありますが。今日のは和泉流万蔵家台本でしたが、「早漆」という演目の場合もあります。古い狂言絵には、違う演出で描かれたものもあるようです。いつ成立したものか、中世まで上がるのでしょうか、近世初頭でしょうか。塗師の作業自体は、千年ほとんど変わらないといってもよく、現在まで同じ手法です。
 狂言では、「早塗師」と称する塗師が、2人の大名の烏帽子を、頭に被ったまま、屋外で漆で修理するという有得ない設定です。有得ないことだからおもしろいのでしょう。しかし漆塗の手法は細かいところまで、実際の漆の仕事を忠実に再現しています。箆、塗刷毛といった小道具もどうやら本物のように見えます。「せしめ漆」と「との粉」で「地さび」をしたり、「吉野漆」で上塗をしたりと、漆塗りの専門用語が登場し、実際に近い工程を演じます。箆使いも本職並みの手つきです。早漆とは早く乾くよう調合した漆のことで、その名人の「早塗師」だというのです。ただし錆と上塗を続けて一遍にすることは、まず有得ません。
 乾かすには、「旅風呂」と称して、和紙を貼り繋いで箱状にしたもので、2人の大名をすっぽり覆います。今回は、花の丸が描かれた華やかなものが登場しました。祝儀性が強い演目だということがよくわかります。実際にこんなものがあったのでしょうか。屋外の社寺の修理では近いことをしますし、御料車を塗る際にも同じような方法だったようですから、こうしたものを工夫して使った塗師もいたのかもしれません。
 狂言としては、早く乾かそうとして、この旅風呂の中で2人の大名の烏帽子がくっついてしまうというオチです。漆が強力だということは昔から広く認識されていたようです。

 
| 伝統芸能 | 22:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
『知られざる忠臣蔵』国立劇場(東京・三宅坂)
国立劇場で公演されている播磨屋の公演『知られざる忠臣蔵』を見てきました。なんといっても見どころは中村吉右衛門さんの「弥作の鎌腹」でした。この外伝は全く知りませんでしたが、朴訥にして壮絶な舞台です。
「忠臣蔵形容画合」黙阿弥の作で華やかでダイジェスト的なものですが、仮名手本忠臣蔵をよく知っていないと難しいかもしれません。プログラムの表紙は、大石内蔵助自画といわれる酒席の掟を描いた、掟の盃です。これについては別に書きます。12月26日までです。


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| 伝統芸能 | 01:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
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