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蒔絵・研究日誌

「蒔絵博物館 高尾曜のホームページ」の併設ブログ。
日々の研究の活動報告、展覧会観覧記録や歴史の話など、つれづれなるままに書いています。
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大石内蔵助「掟の盃」・「遊春盃」
国立劇場のプログラムを見て、大石内蔵助がデザインしたといわれる「掟の盃」あるいは「遊春盃」と呼ばれる蒔絵盃についてまとめておきたくなりました。これについては我楽多談義というサイトですでに考察されていらっしゃるので、参考にさせて頂きながら、情報を付加し、さらなる情報提供を頂きたいと思います。
 これらの盃は仇討を胸に秘めながら、敵の目を欺くため、あるいは本当に楽しんでいたために遊里で遊びほうけていた大石内蔵助が自らデザインしたとされる盃で、酒を飲むうえでの五箇条の掟が高札に書かれています。

 有名なのが赤穂の大石神社に所蔵のもので、高札を内蔵助自身がそぞろ歩いて眺めているものです。国立劇場プログラムの表紙はこれです。これは内蔵助の親戚、津軽大石家昭和42年に発見され、赤穂の大石神社に寄贈されたものです。先週の東奥日報の記事にも出ています。外箱に「宝永二年江戸明國院」という箱書きがあるそうです。高札には次のようにあります。

    定
一 喧嘩口論之事
一 下ニ置べからす
一 おさへ申間敷事
  但シ相手ニよるへし
一 したむへからす
一 すけ申間敷事
  但シ女中はくるしからす
         以上
月 日

つまり
一 酒席で喧嘩口論してはならない。
一 注がれた盃を下に置いてはならない。
一 無理に酒を勧めてはならない。
  但し相手による。
一 酒をこぼしてはならない。
一 人の酒まで助けて飲んではならない。
  但し女性で飲めなくて困っている場合は助けてよろしい。

といった内容で、一見厳めしい高札ですが、なかなか粋な内容です。

 もう一つが熊本藩主細川家の臣で、大石内蔵助切腹の際に介錯をした安場一平の家に伝わったとされるものを大石神社で模造し、配ったものです。これは高札のみです。下のものもその1つのようで、糸底に「大石良雄手造杯冩」の銘があり、外箱には「義士遊春杯」と題し、近代加賀の蒔絵師鶴田晴斎の銘があります。



高札の文は

   定
一 喧嘩口論堅無用
一 盃下ニ置べからず
一 したむべからず
一 おさへる事無用
  尤相手に寄可
一 すけ申事無用
  但し女はくるしからず

とあります。

 津軽大石家のものと安場家のものは近年までそれぞれの家の秘蔵品で、世に流布するはずもないのですが、実はそれ以外にもあり、かなり流布していたであろうことが推測されます。

 年代の確実なものとしては、遠州・石州定塗師加賀前田家御用塗師近藤道惠作のものです。明治元年に没した幕末の10代近藤道惠の作です。糸底に黒漆で「良雄」とあり、さらに透漆で「惠」と道惠の隠銘があり、共箱になっています。また他のものより大きめです。



高札の文は

   定
一 喧嘩口論之事
一 下に置くべからず
一 おさえ申間敷事
  尤相手によるべし
一 したむ事無用
一 すけ申間敷事
  但し女中ハくるしからず
 月 日

となっています。

他にも江戸期と思われる写しのものがかなりあります。


    定
一 喧嘩口論之事
一 下置くべからす
一 したむこと無用
一 おさへ申間敷事
  尤相手によるへし
一 すけ申事無用
  但シ女中はくるしからす
 月 日

とあり、裏に「大石太夫自画盃赤穂城東新濱邑吹田屋某所蔵今擬造為」と蒔絵され、糸底に黒漆で「良雄」と書かれています。

さらに下のものは



高札の文は

   定
一 喧嘩口論之事
一 下ニ置くべからず
一 おさへ申間敷事
  尤相手によるべし
一 したむこと無用
一 すけ申間敷事
  但シ女中ハくるしからず

とあり、これも裏に「赤穂吹田屋某所蔵大石太夫自画盃今小之」とあって、糸底に「良雄」とあります。
 
 赤穂には吹田屋町という地名もあって、もっともらしい由緒ではありますが、これが本当なら赤穂城断絶の前から盃が存在していたということになります。京都で遊び呆ける前ですね。他に、高輪泉岳寺にも同様な盃があると聞いていますが、まだ確認していません。いずれにしても高札の文は条文の順序や意味は同じながら語句が微妙に異なるので、何か伝説的なところから創出され、江戸後期にはかなり流布していたように思います。
 
| 研究 | 22:33 | comments(1) | trackbacks(0) |
今晩は!

2018年5月29日
根津美術館「光琳と乾山展」の帰り
青山「骨董通り」の某店にて
「セール品」「ジャンクの山から、
戦前 九谷の染付 と思われる品を購入。

杯の見込みは、貴殿の掲載されたる、下2点と酷似しております。

高札の下は、垣根&#8263;
更に、その下は石垣。

刀を差し、羽織を着たる侍一人
紋所は、「丸十」に近い。

高札の文字は、省略され、

杯 側面に「定」以下 五箇条
「巳 上」「月 日」
(くずし文字&#8263;は、当方 読解 不得手)

糸ジリ内に「良雄」


売り手は、時代もモノも分からぬとの事で
「良雄」は、「大石良雄」と見当をつけて、ネット検索し、こちらを拝見した次第です。

九谷の「酒杯」
「大石良雄」の「掟の盃」

勉強になりました。


ありがとうございます。



| 淡々斎 | 2018/04/30 8:13 PM |









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