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蒔絵・研究日誌

「蒔絵博物館 高尾曜のホームページ」の併設ブログ。
日々の研究の活動報告、展覧会観覧記録や歴史の話など、つれづれなるままに書いています。
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エドワード・ランガムコレクションのオークション此淵蹈鵐疋鵝
世界一の印籠コレクター、故エドワード・ランガム氏の刀装具、根付、印籠、漆工品のオークション第6回がボナムス社のロンドンで行われました。忙しくて終わって半月も経ってしまいましたが、いままで5回分をこのブログで紹介したので書いておきましょう。カタログの序文はエドムンド・ルイス氏でした。
 どうやらあと数回開催するらしく、今回は名品をケチったせいで、全く盛り上がりませんでした。私も気付かなかったのですが、4回目までは印籠を200点前後ずつオークションに掛けていたのが、もうすこし引っ張ろうという作戦に切り替えたのか、5回目は100点ほど、今回は80点もなく、数も少ない上に優品も減ったせいです。
 今回の目玉は、表紙にもなった青色漆の菊蝶蒔絵印籠でしょう。友人から、無銘のこの印籠がなんでこんなに高いの?石橋荘次郎って誰?と聞かれました。そうでしょう。無銘のシンプルな研出蒔絵の印籠が50,000ポンド(922万円)でしたから驚くのも無理はありません。
 理由は幕末・明治の青色の蒔絵印籠世界に3つしかないからです。エバーグリーンハウス、ギャレットコレクション杜若蝶蒔絵印籠とフィンランドのクレスコレクション牡丹蝶蒔絵印籠とこの印籠です。ギャレットコレクションの分にだけ、平秀斎の銘があります。この平秀斎が石橋荘次郎であることを最初に発表したのは、この私です。オークションカタログの石橋荘次郎の生没年も私の「近世蒔絵師銘鑑」に基づいているようで、それによって、初めておよその製作年代が判明したというわけです。なにしろ、近代のレイキ顔料が発明される以前に、漆で青色を出すことは極めて困難でしたから。明治期の輸出漆器には紺色の漆のものも稀にありますが、それでもこれらの印籠ほど鮮やかな青色ではありません。
 今回、資料性が最も高かったのは、幸阿弥家13代正峯群蝶蒔絵印籠です。現存する幸阿弥派の在銘の印籠としては、18世紀前半まで上る最古の印籠です。しかも大正時代に来日していた有名なバイオリニスト、エフレム・ジンバリストグリーンフィールドの旧蔵であるにもかかわらず意外に安かったと思います。普通はメトロポリタン美術館で展示されたグリーンフィールド旧蔵というだけで数百万円と高いのですが。
 鈴木東谷も17,500(232万円)とあまり高くはありませんでした。ランガム氏は東谷の桜井駅の楠木正成、正行の印籠を持っていましたが、1974年にすでに売却してしまっていました。
 何しろ是真の真作はないし、今回は全体に低調でした。

ボナムス社 HP 落札結果



JUGEMテーマ:アート・デザイン
| 売立目録・オークションカタログ | 21:36 | comments(0) | trackbacks(0) |









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