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蒔絵・研究日誌

「蒔絵博物館 高尾曜のホームページ」の併設ブログ。
日々の研究の活動報告、展覧会観覧記録や歴史の話など、つれづれなるままに書いています。
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なんでも鑑定団「柴田是真・長谷川光祇合作の箪笥」

なんでも鑑定団柴田是真・長谷川光祇合作用箪笥が出ました。

 

TV TOKYO なんでも鑑定団

 

 今回は、蒔絵博物館長谷川光祇作「月秋草蒔絵印籠」の画像提供を依頼され、良さそうなものと判断して提供することにしました。番組では「長谷川光祇についてはよく分かっていない」ということになっていましたが、蒔絵博物館を見て依頼しているのにどうかと思いますが、それはまあ番組の演出だからということで置いておき、本当に柴田是真の作品なのか、ということに関しては、いまだに釈然としないままです。

 象牙の開き戸の蔦蒔絵池田泰真の銘は100%間違いないものでした。全体として非常に見事な出来のものです。象牙の戸や七宝が施された引手金具も見事でした。全体が桑製なので、国内向けでしょうし、象牙胎の戸など、泰真の作品でも滅多にないので、かなりの注文品であることは明白です。

 しかし柴田是真・長谷川光祇の銘がとうとう発見されないままだったので、「是真」真作あるいはプロデュースという結論で本当に正しかったどうかは、今でも疑問です。他の合作の池田泰真、山内玉雄、芝山宗一らの銘があるのに、是真が作銘を控えたというのは不可解です。

 外箱に「描金工/柴田是真/長谷川光祇」と墨書があるので、泰真の蒔絵を除外すると蒔絵の部分は上の引戸しかないのですが、あれが是真かというと、作風はむしろ長谷川光祇の印籠の作風に近いくらいです。そもそも、合作だとしたら、どこをどう合作したというのしょう。^戸1枚ずつを2人で分業した、霞の研出蒔絵がある地塗と上の黒蒔絵とで分業した、2竺┐是真で蒔絵が光祇、などなど考えられますが、どれも納得しがたい合作、分業です。あるいは箱の書付が是真と泰真とを勘違いしたとか。

 いずれにしても、あれだけ見事な作品なのに、是真の履歴にも泰真の履歴にも、この用箪笥のことが全く登場しないということも不思議です。どちらも詳細な履歴が残っており、泰真については自筆の履歴書があります。しかし外箱の墨書も確かに明治10年代の雰囲気で、「桑御箪笥」とあって御用品らしい書き方でもあり、偽物臭さが全くないので、どこまでも不思議なものでした。いつの日か、実物を見たいものです。

JUGEMテーマ:アート・デザイン

| テレビ番組 | 01:08 | comments(0) | trackbacks(0) |









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